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噛める入れ歯

当院では、義歯を少なくとも2個つくる。ときには3個以上作ることもある。
まずボクは、練習用の入れ歯を作る。これは、1ヵ月くらいで本物ができるまでのもの。
この練習用の入れ歯で、その人の噛むクセや、噛み合わせ具合いをみる。
入れ歯を入れるとグニャッとした顔になってしまい、急にふけこんで見える人がよくいるが、それはいきなり本番を作ってしまったからで、作り直さなければならない。

義歯最初の入れ歯は、何かあった時のため。
例えば「バネが折れた」「旅行(特に外国)時の予備」
そして威力を発揮したのは、1995年の"阪神大震災"のときであった。
食料・水・仮設住宅等、十分でなくともなんとか間に合う。
あの時、被災者たちの間で、最も困ったのは『老眼鏡』であり、『義歯』であったのだ。
その点、予備のある当院の患者さんからは、思いもかけぬ地震時に非常に感謝された。
別納してあった義歯が、失くしたり、焼けたとき役立ったのだ。
私もこんなに喜ばれるとは、考えてもいなかった。

「教訓:万全を期すなら、銀行の貸し金庫にでも入れておくとよい!」

義歯の場合、痛むのなら、すぐに来院するように勧めている。
当日の連絡でも、調整はその日のうちにするのが、入れ歯治療の原則である。
入れ歯が合わない、噛むと痛い所がでたときはすぐに直しましょう。
バカは、カネにならない、入れ歯の痛みを「アナタは神経質だ」とか「そのうち治ると」さんざん待たせておいて、ゴマカシてしまう。
バカ云うな!入れ歯は「モノ」で変化しないが、生体は日々変化しているのだ。
それに加えてヤブの合わない入れ歯。
ウチでは、まず一回目で合うのだ。


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