根管治療 治療方法
根管治療の流れ
治療前
神経に達する深い虫歯が見られる。ここまで深い虫歯では、根の治療が必要になってくる。
治療途中
根管治療の途中でレントゲン写真をとる。リーマーが、根の先端まで届いていることを確認する。
根充後
治療後にレントゲン写真をとる。薬が、根の先端まで行き届いていることを確認して、根の治療を終了する。
年齢:49歳
性別:男性
治療期間:3週間(2回)
副作用・リスク: 根の先を触るので治療後に痛みが出る事があります。根があまりに大きな虫歯を患っている場合、保存が難しい又は保存的治療を行っても長期の予後が見込めない可能性があります。
根管治療の基本は、まず感染根管・汚染された根管を清掃することです。根管とは歯の中に神経や血管を送り込んでいる細いトンネルのことを言います。この穴は、その歯によってメインのトンネルの本数はだいたい決まっています。
治療にあたり、根管の入り口を探すことから始まります。根管をさぐるには、ファイルというドリル状のミゾがついている小器具を使います。この細いファイルで、歯の根をさぐる訳ですが、自己防衛のために身体が頑張り、根管の中にはカルシウムや細菌・腐敗産物などが沈着しているのです。これを押し分け、かき分け、50ミクロン単位で拡げていくのです。
ファイルを使って手先のカンと、患者さんの反応や微弱な電流を手がかりにして測ります。X線写真も重要な情報源です。根の長さがわかれば、あとは根管を太くしていく作業が待っています。
根管の断面は正円をしていません。むしろ楕円とかヒョータン型などで、しかも直線ではなく曲がって伸びているのです。ファイルで根管を広げると、根管の先にたまった腐った細胞によるガスや膿みが出てきます。ファイルに歯を構成している以外の何かが付着しなくなり、これ以上拡げると本来あるべき根管のカーブが保てないと判断したところで拡張作業をやめます。そして、拡げた太さと長さに合わせたゴム状のポイントを、根管に十分行きわたらせたペーストとともに刺し込み、根管をふさぎます。
これが、「根管充填」と言われる治療法です。あとは自然に身を任せておけばいいのです。歯の根の先に病気があったり欠けたところがあれば、それを埋めてくれます。これが自然治癒なのです。患者さん自身の持っている素晴らしい『自然治癒力』を引き出す事こそが医療の根本であり、患者さんと歯医者の人間らしい生き方であると考えています。
根っこの先の病巣は基本的に根管治療で治癒することが多いですが、稀に回復が起きない場合があります。
その場合は別に原因があり、他の処置へ移行するか(外科処置)、歯と骨を回復させる組織がなくなってしまってる時はやむなく抜歯の可能性もあります。
他院で治療した際に折れて残存した器具を除去したケース
治療前
治療器具(ファイル)の破折が認められる
除去した器具
根管内に残っていた
折れたファイル